チェックインの際に、初めてお孫さんと一緒にいらしたというご夫婦のレストラン選びをお手伝いしました。
最初は困っている様子のご夫婦でしたが、こちらからお孫さんの好みを伺い、ホテル内の各レストランの雰囲気や特徴、おすすめのメニューを私が利用した経験を踏まえながらご提案したところ、表情がぱっと明るくなりました。「あなたに相談してよかった」とおっしゃっていただき、私も思わず笑顔に。チェックインは単なるお手続きではなく、安心や温かさを届けられる時間。小さな声かけが、大きな感動につながった瞬間でした。

私は、幼いころに宿泊した際にお部屋まで案内をしてくれたキャストのお姉さんに憧れてキャストになりました。ある日、楽しみにしていたパレードを見られずに落ち込んでいるお子様をお部屋までご案内することとなり、私なりに精一杯、楽しんでもらえるように寄り添いました。
すると最後に、その女の子が「私が大きくなったら、お姉さんと一緒にここでお仕事したい！」といって抱きしめてくれました。
私も“あの日のお姉さん”になれたこの場所は、誰かに夢を与えられる場所なのだとあらためて教えてもらったような気がしました。

入社後、レストランに配属された私は未経験ということもあり、とても緊張していました。先輩方に仕事を教えてもらいながらデビューしてまもなく、お席までご案内をしたゲストから「丁寧な料理説明をありがとう」と、感謝のお手紙をいただきました。
初めてのゲストからのお手紙でとても嬉しく、私も誰かを笑顔にできると思えたと同時に、レストランで一緒に働く同僚たちが私以上に喜んでくれたことで、かけがえのない仲間と出会えたことを実感できました。

お誕生日のお祝いでレストランに来店されたご家族がいらっしゃいました。小さな男の子の5歳のお誕生日です。お祝いのプランもご予約いただいていたので、お誕生日の歌を歌うと、周りのゲストも一緒に拍手をしてくださり、みんなでお祝いをしました。
帰り際、ご両親から「今日1番の息子の笑顔を見ることができました。」とお声がけいただき、心が温かくなりました。ゲストの特別な日を彩ることができるこの仕事の素晴らしさや、人の温かさを感じることができた1日でした。

日頃から、提供しているパンがなくならないように、サービスキャストと声をかけあいながら勤務をしています。そんなある朝、サービスキャストが嬉しそうに駆け寄ってきて、ゲストが「パンが特に美味しかった！朝食はまたここに来たいね！」と話していたと伝えてくれました。その一言が嬉しく、それを聞いた時には思わず手を止めてしまいました。
忙しい時には忘れてしまいそうなことですが、ゲストと接していなくても、心を込めた仕事が人に届く——。それがこの仕事の喜びです。